草花: 2008年11月アーカイブ
晩秋
控えめな印象のある植物で、うつむきがちな姿ですが、明るい黄色の花が開くと、いきなり日が差し込んだような暖かさが感じられます。
日陰でもよく咲くので、近所のお宅の玄関先や庭の隅などによく植えられています。日本の晩秋を彩る代表的な野草のひとつといえるでしょう。
つやのあるフキのような葉から「つやぶき(艶蕗)」いわれ、それが変化して「つわぶき(石蕗)」になったのだと、植物の本に書いてありました。古くから庭先などに植えられていて、かつては葉を火にあぶって打撲、筋肉痛などの湿布薬として使われていたそうです。食用となっている種類もあるなど、日本人の生活によくなじんでいる野草です。
狭いベランダでは、日当たりが少なくても元気に育ち、毎年開花してくれるのは本当にありがたいことです。湿った土を好むので、水切れさせないよう気をつけて育てています。
◆ツワブキ(石蕗) ・ツヤブキ ◆学名 Farfugium japonicum ◆英名 JapaneseSilverLeaf
◆キク科 多年草 ◆花期 10?12月 ◆分布 本州・四国・九州・沖縄 ◆花径 約4cm
野に咲く菊
晩秋となり、朝晩冷たい空気を感じるようになりました。ベランダでは紫色の野紺菊の花の色が冴え冴えとして、冬が近づいて来たことを知らせてくれます。秋のあいだじゅう元気で咲いていたこの花も、そろそろ盛りを過ぎました。ベランダで育て始めて、10年近くになります。水切れさせないように気をつけている程度ですが毎年10月になるとすぐに開花し、秋の終わりまでずっと咲いています。
野菊の代表種で、この中から濃い紫色の美しい品種を選抜したコンギクという園芸品種があるそうです。園芸ショップでは野紺菊という名札がついていましたが、ベランダで咲く花は濃い紫色でとても美しいのです。コンギクではないかと色々調べたところ、コンギクと野紺菊の境界線はあいまいだということを知りました。
同じ仲間にユウゼンギクというのがあり、開花時期が同じで色合いや姿が華やかなので、園芸店などでは目立つところに置かれてもてはやされています。野紺菊はどちらかというと地味で野草コーナーに置かれていたりしますが、野の花の風情を残しているという点では野紺菊のほうが勝っているでしょう。
草丈が低く、茎も葉も細いので、ベランダの強風もらくらくと乗り越えてくれます。とても丈夫で、水切れさせない程度にめんどうをみているだけで植え替えも一度もしていませんが、いつも元気で、毎年たくさんの花が咲きます。
過酷な環境のベランダの中で風当たりも照り返しも一番強い場所に置いています。ときどき申し訳なくなり、野生に返してあげたいなどと思います。秋の盛りの野や山に、この紫色の小花が一面に咲いていたら、素敵ではないでしょうか。
◆和名・流通名 ノコンギク(野紺菊) ◆学名 Aster ageratoides ssp. Ovatus
◆キク科 シオン属 ◆本州、四国、九州に分布する。 ◆花期: 8?11月 日当たりを好む
◆花径:2?2.5cm、高さ:50?70cmほど ◆ダルマギク、ユウゼンギクなどが近縁
侵略者
明治の終わりごろにアメリカからやってきたそうです。たくましい繁殖力であっという間に日本全土を覆ってしまいました。
河原や空き地、道路沿い、そして気がつくとお庭にも堂々と入り込んできます。ベランダの小さな鉢の上にも今シーズン一株育っていて、黄色い姿で秋風に揺れています。
背が高く見るからに丈夫そうなこの花は、他の植物の生長を阻害する物質を体から出しているそうです。広い空き地にたった一株入り込んだセイタカアワダチソウのおかげで他の植物が成長できなくなります。してやったりとばかりに地上茎を伸ばして繁殖し、大群落を作っています。
ススキで一杯だった空き地にあるとき突然この黄色い花が一株出現し、次の年には半分くらい、そしてその次の年には100パーセント占領されてしまったこともありました。我が物顔の怖いもの無し、まるで侵略者のようです。
たくましさゆえに日本では憎まれもののセイタカアワダチソウですが、最近は少し元気がないという噂もあります。自分自身から出す成長を阻害する物質によって、自ら滅んでしまうこともあるとか。
繁殖しすぎて自らが根を張る土壌の性質が変わり、あまり成長できなくなったという話も・・・なんだかかわいそうになってきました。自宅近くの駅前で、この”黄色い軍団”に遭遇し、目の前にあった小さな一株に向かってたたずんでしまいました。黄色い細かいお花はそばでみると意外に優しい感じです。
・・・ふと肩をたたかれて振り返ると、たくましいセイタカアワダチソウが後ろに一株。2メートルくらいあろうかと思われます。出て行けと言われているような気がしてなんだか怖くなり、急いでその場を離れました。
一生懸命生きているだけかもしれませんが、ちょっと怖いですね。離れて見ているのが一番。群れをなしている黄色い姿は雄大でとても美しいです。
◆セイタカアワダチソウ(背高泡立草) ◆キク科 多年草 ◆草丈150cmから250cm

